ムティララ国立公園 トレイルガイド

📍概要

ムティララ国立公園(Mtirala National Park)は、ジョージア西部・アジャラ (Adjara) 地方に位置する国立公園で、黒海沿岸の都市 バトゥミ から車で約1時間ほどの距離にあります。コーカサス山脈の西端に広がるこの地域は、黒海からの湿った空気の影響を強く受けるため、ジョージア国内でも特に降水量が多いエリアとして知られています。湿度も高く、このエリアは日本と一番気候が近いような気がしました。しかし、降水量は2500mmと、なんと日本の平均の2倍!
ジョージアの中でも特に降水量が多く、短時間でも湿潤な原生林の雰囲気を体感できる国立公園です。

🌧 特徴(湿潤林)

Mtiralaの最大の特徴は、その名の通りジョージア語で「泣く(mtira)」に由来し、「よく泣く山(=雨が多い)」と呼ばれるほどの湿潤な環境です。
私が初めて訪れたとき感じたのは、「涼しい沖縄」。本州のような体感温度でありながら、広がるのは亜熱帯な雰囲気、という印象でした(ガジュマルやヘゴのような木はないので、さすがに南国ではなかったですが)。年間降水量は非常に多く、園内にはコケに覆われた樹木やシダ植物が広がり、温帯でありながら亜熱帯的な雰囲気を感じる原生的な森林が残されています。

また、小さな滝や渓流が点在し、短いトレイルで水辺の景観を楽しめるのが魅力です。
生物多様性も高く、昆虫や両生類、陸産貝類など、湿潤環境に適応した生き物の観察にも適しています。

ムティララ国立公園は、ジョージア西部の他のエリアと合同で、「コルキスの雨林帯と湿地帯」”Colchic Rainforests and Wetlands” として世界遺産に登録されています。
この世界遺産は、黒海沿岸に広がる独特の温帯雨林および湿地の生態系を評価されたもので、ムティララ国立公園はその「雨林帯」の一部を担っています。大きな都市であるバトゥミからもアクセスは良い方なので、「コルキスの温帯雨林」を体感できる代表的なフィールドのひとつといえるでしょう。

もののけ姫のような、深いしっとりとした森林を楽しみたい人にはおすすめです!(でもちょっと人多いかも・・・。)

🌲みどころ

やはり、雨林帯をじっくりと味わうこと!このようなジョージアは乾燥している場所が多いので、こんなに青々としたコケ、生い茂るシダたちに出会えることはなかなかありません。みずみずしい緑を楽しむのにうってつけの場所です。

⚡️危険生物

マダニ

ジョージアの中でこの西部の森林・草地地帯にのみ、マダニが広く生息しています。
特に湿度の高い環境や草むらで付着することがあります。ライム病などの感染症リスクは高くはありませんが、噛まれた場合は適切な対応が必要です。

対策
・長袖・長ズボンを着用する
・明るい色の服(付着に気づきやすい)
・歩行後は体や衣服をチェックする

もし噛まれた場合
無理に引きちぎらず、できるだけ慎重に取り除いてください。その後、皮膚科などの医療機関での確認をおすすめします。最寄りの大きな医療機関はバトゥミにあります。病院でマダニを取り除く処置はしてくれないので、噛まれているのを見つけたらご自身で、なるべく口の部分が残らないようていねいに引き抜いてください。

⛰️ 主なトレイル

#1 – Tsabinari Waterfall (難易度☆☆★)
#2 – Mtirala Extended Loop (難易度☆★★)
#3 – Mtirala Mountain (難易度☆★★)

※ちなみに「Best Hiking Trails at National Parks of Georgia」という冊子には、ムティララ国立公園のChestnut Trail(7km, easy)というトレイルが紹介されているのですが・・・
この冊子にはトレイル名、距離、難易度、所要時間、そしてそのトレイルの様子(どれだけきれいか)だけが書いてあり、場所やルートが書いていません。そしてウェブや現地の地図、どこをみてもChestnut Trailというものは存在せず、7kmという距離も「え、そんなとこある・・・??」という感じで、どのトレイルのことか不明なので割愛しています(こういうのはジョージアあるあるです)。もしどなたかわかった方がいらっしゃれば、ぜひご連絡ください。

#1 – Tsabinari Waterfall

ルート概要

  • 難易度:☆☆★
  • 所要時間:2-3 時間
  • 距離:4.5km
  • 累積標高:+234m

アクセス
登山口はチャクヴィスタヴィ(Chakvistavi/ჩაქვისთავი)から。


チャクヴィスタヴィまでは、

  • レンタカー
  • バトゥミからタクシー
  • バトゥミからハイヤー
  • バトゥミからチャクヴィ(Chakvi/ჩაქვი)までマルシュルートカ、チャクヴィからタクシー
  • バトゥミからチャクヴィスタヴィ行きのマルシュルートカ(週1, 水曜)

【コース状況と個人の感想】
トレイルはかなりわかりやすく、迷う心配はない。滝壺に降りるところで少々アップダウンがあるが、基本は平坦。スニーカーでもOKだが、雨天後はぬかるみ、滑りやすいので注意。滝の近くは雨天でなくても濡れているので注意。
気軽にに水辺の自然を楽しめるのでおすすめ。

【地図・ルート詳細】
#1 – Tsabinari Waterfall

#2 – Mtirala Extended Loop

ルート概要

  • 難易度:☆★★
  • 所要時間:5-6 時間
  • 距離:12.1km
  • 累積標高:+942m

アクセス

登山口はチャクヴィスタヴィ(Chakvistavi/ჩაქვისთავი)から。#1と同じ。

【コース状況と個人の感想】
日帰り可能だが、希望するならシェルター(山小屋)を利用して宿泊も可能。シェルターには鍵がかかっているので、利用する際は管理局にて鍵をもらう必要がある。管理局はふもとの町であるチャクヴィ(Chakvi / ჩაქვი)にある。レンタカー・タクシーであれば問題ないが、公共交通機関のみで行くとなるとかなり不便。国立公園ホームページからビジタースペシャリストへ連絡し、コンタクトを取ることが必須。使用料は大人30GEL/泊 程度。
展望は少ないが、上の方にいくと静かなブナ林を楽しめる。あとマイマイがたくさんいて楽しい(私得)。

【地図・ルート詳細】
#2 – Mtirala Extended Loop

ルート概要

#3 – Mtirala Mountain

  • 難易度:☆★★
  • 所要時間:7.5–8.5時間
  • 距離:21.6km
  • 累積標高:+1,057m

アクセス
登山口はコロリスタヴィ(Korolistavi/ყოროლისთავი)。バトゥミから141番のミニバスに乗ると、入口付近まで行けるそう。
しかしバトゥミの観光窓口で確認することを強くおすすめする。

【コース状況】
ここは筆者は行ったことがないので、筆者調べの情報。管理局の人にはおすすめされたトレイル。日本人でスーパー健脚の持ち主ならば日帰りも可能そうではあるが、下りた麓からのアクセスもおそらく良くないので小屋泊が良いと想定される。こちらのシェルターも#2 と同様、管理局にコンタクトをとって利用する。

注意点
雨後や湿度の高い日には、林内でヒルが見られることがあるよう。肌の露出を避け、足元にも注意してください。

【地図・ルート詳細】
#3 – Mtirala Mountain

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